あれは、大学のサークル仲間と、山奥のキャンプ場へ行った時のことでした。豊かな自然に囲まれ、日中は川遊びやバーベキューを楽しみ、私たちは最高の夏休みを満喫していました。夜になり、ランタンの灯りの下で語り合っていた時、照明に誘われて、たくさんの小さな虫が飛来してきました。その中に、オレンジと黒の、アリのような奇妙な虫が混じっていたのを、私はぼん-やりと覚えていますが、特に気に留めることはありませんでした。その夜、テントの中で眠りについた翌朝。私は、左腕の内側に感じた、チリチリとした、まるで日焼けした後のような痛みで目を覚ましました。見てみると、肘の内側から手首にかけて、長さ10センチほどの、一本の赤い線が、くっきりと浮かび上がっていました。火傷をした覚えも、どこかで強く擦った記憶もありません。私は、気味悪く思いながらも、「まあ、そのうち消えるだろう」と、軽く考えていました。しかし、その日の午後になると、その赤い線に沿って、無数の小さな水ぶくれが、ぷつぷつと現れ始めたのです。そして、痛みは、ヒリヒリとした灼熱感へと変わっていきました。その見た目のグロテスクさと、経験したことのない火傷のような痛みに、私はパニックになりました。キャンプを早めに切り上げ、地元の皮膚科に駆け込むと、医師は患部を一目見るなり、「ああ、これは典型的なやけど虫だね。昨夜、照明に集まってこなかった?」と言い当てました。昨夜の光景が、フラッシュバックのように蘇りました。おそらく、照明に集まってきた一匹が、私の腕に留まり、それを私が寝ている間に無意識に払い、潰してしまったのでしょう。医師から処方された強力なステロイド軟膏を塗り、ガーゼで保護する日々が二週間ほど続きました。水ぶくれが破れた時の痛みは、本当に辛いものでした。幸い、数ヶ月後には跡もほとんど目立たなくなりましたが、あの腕に残った一本の赤い傷跡の光景と、焼けつくような痛みは、今でも私の脳裏に鮮明に焼き付いています。
あの夏のキャンプ、腕に残った謎の傷跡