エアコンの取り付け費用には、標準工事費と追加工事費の2つがあります。標準工事費は、エアコンを設置する際に、通常必要となる基本的な工事の費用です。一方、追加工事費とは、標準工事では対応できない特殊な工事が必要な場合に発生する費用です。ここでは、追加工事費について、具体的にどのような場合に発生するのか、詳しく解説していきます。まず、最も一般的な追加工事は、室外機の設置場所に関するものです。標準工事では、室外機は平地またはベランダに設置することを想定しています。しかし、室外機を屋根の上に設置したり、壁掛けにしたり、公団吊り(ベランダの天井から吊り下げる)にしたりする場合は、追加工事費が発生します。これらの工事には、高所作業や専用の金具が必要となるため、費用が高くなる傾向があります。次に、配管パイプの長さに関する追加工事です。標準工事では、配管パイプの長さは4m以内を想定しています。しかし、4mを超える場合は、追加料金が発生します。配管パイプが長くなると、冷媒ガスの補充が必要になる場合もあり、さらに費用がかかることがあります。また、配管を通す穴に関する追加工事もあります。標準工事では、木造・モルタルの壁に1箇所の穴あけが含まれています。しかし、コンクリートの壁や、タイル張りの壁など、特殊な壁に穴を開ける場合は、追加工事費が発生します。これらの壁は、穴あけに専用の工具や技術が必要となるため、費用が高くなります。さらに、隠蔽配管の場合も、追加工事費が発生します。隠蔽配管とは、配管パイプを壁の中に埋め込む方法です。見た目がすっきりするというメリットがありますが、工事が複雑になるため、費用が高くなります。その他にも、電圧切替工事、専用回路増設工事、室外機のドレンホース延長工事など、様々な追加工事があります。追加工事費は、工事内容によって大きく異なるため、事前に業者に見積もりを依頼し、確認することが重要です。